鳴り続ける奇音(怖い話)

 あるとき倉庫の掃除をすることになったんです。

中は薄暗く足元もはっきりしない中、箒を掃いていました。

もちろん倉庫は狭く暗く、他の人間も誰一人といない中で

「コツン.. .. ...コツン. .. . ... . カツン... . .カツン」と奇妙な音が鳴っていたのです。

それがいつから始まったものかなどわからないほど微かに、確かになっていました。

箒が何かに当たっているのかなと思い、掃除を止めると音は鳴りやみました。

なんだ箒かと思いながら、塵取りに堪ったごみを捨てに行こうとしたその時

「コツン.. カツン.. .カツン..コツン.カツン ..カツン . ..カツン. . カツン... . .カツン」

それはいきなり鳴り始めました。

自分は怖ろしく思い、急げば急ぐほど音が近く、速くなっていくのです。

恐怖で心臓の鼓動も速くなっているのがわかります。

箒じゃない!すぐにわかりました。

急いで明るい場所へと避難をし始めました。

「コツン.. カツン.. .カツン..コツン.カツン ..カツン . ..カツン. . カツン... . .カツン」

「コツン.. カツン.. .カツン..コツン.カツン ..カツン . ..カツン. . カツン... . .カツン」

「ばたん..... . .. ... . .  .. .... ..  」

扉を閉め、一息つくと音は消えていました。

 「一体何だっていうんだ」そう思い、ごみを捨て箒を片付け手を洗いに行きました。

一通り作業が済んだ頃に、足に違和感を覚えました。

何これ、なんか踏んでる?

足を退けども何もありません。

足にごみでもついているのか?

と足を裏がしたところ

「うわっ、ゴキブリ!?」

自分は後ろにコケてしまいました。

黒い奴が足の裏にいたのです。

まじかよと思いながらもう一度靴の裏を確認したところ、

DipパッケージのICが靴にしっかりと刺さっていましたとさ

おしまい。

(くそみたいな話ですみません(実話です))

 

話の答え合わせ

毎回確認の際に音が止まったのは、確認のために歩みを止めていたからです。

急げば急ぐほど音が近く、早くなったのは早く歩いたからです。

ICは靴の裏に刺さってるのを一瞬みただけだ死んだゴキブリに見えます。